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BBQから協調性の基盤を解明する!

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Jun Ichikawa
静岡大学、Assistant Professor
Pledged: 210,000 JPY
Target Amount: 600,000 JPY
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Profile

Jun Ichikawa

市川 淳(静岡大学情報学部・助教)と申します。専門は身体性認知科学で特に、スキル習得や社会的・協調的集団運動のメカニズムを研究しています。身体運動を計測し、特徴的な動きの背後にある認知情報処理について検討しています。身体と認知の関係を議論することで、動きの法則を理解するスポーツ科学や生物学と“こころ”の性質を理解する認知科学や心理学を接続させて新たなテーマを創発させることが目標です。今回、身近なBBQを題材に協調性の基盤を明らかにしたいと考えています。チームワークの構築過程を観測して実感しやすい、うまくいくグループのヒントを提供したいと思っています。ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

成し遂げたい目標は「‟なぜ、あのグループはうまくいくの?”という疑問に対して身近な社会活動の解析から科学的に説明する」ことです。みなさんのなかには、このメンバーならできると思ったはずが進まなかったり、自分と隣のグループで進捗具合が異なったりした経験があるかもしれません。メンバーの経験だけで原因を説明できるでしょうか?私たちは経験年数だけでは語れない協調性のメカニズムを、分業やインタラクション(相互作用)の観点から明らかにしていきます。

今回、身近な社会活動を題材にフィールド計測から道具や個人の位置、会話を記録するだけでなくアンケート調査も行い、うまくいくグループの特徴を定量的に、統計的に検討することを目的とします。その際、トラブルへの対処等に着目します。完璧に進めることは難しく、揺れ動く環境や想定外の出来事により悪い方向へ傾きかけた状況を立ち直らせている可能性があります。

スポーツ科学や生物学のように集団の動きを分析し、会話やアンケートの回答と関連づけて特徴的な分業やインタラクションを解明することで、認知科学や心理学との接続が実現して協調性研究の発展が期待されます。

<共同研究者>
竹内 勇剛(静岡大学創造科学技術大学院・教授)
山田 雅敏(常葉大学経営学部・准教授)
藤井 慶輔(名古屋大学大学院情報学研究科・准教授)
坂本 孝丈(静岡大学大学教育センター・助教)

どのようなアプローチで実現しようとしていますか?

私たちは、身近な社会活動としてBBQに注目しました。BBQは炭に火がつかないなどのトラブルが起こりやすく、お昼等の限られた時間で楽しく食事するために自ずと分業が行われ、周囲の状況を理解する必要があるでしょう。「分業」、「周囲の状況理解」、「トラブルへの対処」は集団スポーツと類似する一方で、環境が自然で役割が未決定な状態から始まり、個々の自由度がより高くノルマが必ずしも明確でない点が異なり、協調性を学術的に検討するうえで興味深い題材と言えます。認知科学ではこれまで役割分担や交替、これらを通した他者視点の取得が協調性で重要であることが示唆されています[林+07; Shirouzu+02]。しかし、既存の研究では机上のテスト課題を用いた思考に重きが置かれ、身体的なインタラクションが十分に考慮されていないことが検討事項としてあります。

また、実験室実験やエスノグラフィーに代表される認知科学の主流なアプローチでは、科学的に説明しやすい定量的な検証と状況のリアリティの間でトレードオフが生じます。そこで、フィールド計測を採用してこれらの問題のクリアを図ります。

[林+07] 林・三輪・森田, 異なる視点に基づく協同問題解決に関する実験的検討, 認知科学, 2007
[Shirouzu+02] Shirouzu, Miyake, & Masukawa, Cognitively active externalization for situated reflection, 2002

今回のプロジェクトで行う研究テーマはなんですか?

具体的には4、5名を1組にBBQの活動を観測します。設営や調理、食事、片づけの過程を接地・俯瞰撮影して会話を記録するだけでなく、画像処理から道具や個人の位置を時系列で計測します。さらに、活動を振り返るアンケート調査も実施します。

10組ほどフィールド計測を行って接地撮影の動画から会話や行動を参考に、発生したトラブルや各メンバーの役割に関する注釈を付与します。そこから短時間で調理できた、あるいはアンケートで楽しく活動できたと回答したグループの分業やインタラクションに関する仮説を設定します。そして、俯瞰撮影の動画から取得した道具や個人の位置データから集団の動きを解析して仮説を検証します。例えば、うまくいくグループでは、正常時はお互いに任せて、トラブル時のみリーダーのような存在が役割を動的に配置させる特徴がみられるかもしれません。トラブルに関連するグループの距離感や慌て度合いを表す指標から捉えられる可能性があります。

Why we need your support

身近な社会活動をフィールド計測するアプローチ、そしてリアリティのあるデータから定量的に、統計的に協調性の基盤を解明する試みは学術的にも、社会的にもインパクトがあるでしょう。この研究をきっかけに、BBQを通してチームワークの構築過程における「適材適所の役割配置」や「状況に応じたリーダーの必要性」といったみなさんが実感しやすい、うまくいくグループのヒントを提供できるかもしれません。

挑戦的な取り組みのため探索的に研究を進めること、さらには設備や食材の調達など通常の研究費では支出が難しい側面があることから、柔軟に使用できる予算を確保したいと思い、クラウドファンディングに応募しました。ご支援はその他、分析の下処理などに協力いただいたアルバイトへの謝金、論文投稿に向けた英文校正費や掲載費等への使用を予定しています。多くの方にこの研究を知ってもらい、人の情報処理を探求する認知科学に興味を持っていただける機会になればと思っています。ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

About donation receipt

ご寄附いただいた皆様へ、確定申告により税制上の優遇措置が適用される領収書を国立大学法人静岡大学より発行致します。

なお、領収書の日付は、お申込み受付日やカード決済口座からの振替日ではなく、アカデミスト株式会社より国立大学法人静岡大学に入金された日付となります。

【法人・団体様からのご寄附】
・全額損金算入が可能です。(法人税法第37条第3項第2号)

【個人様からのご寄附】
・所得税…寄附金額(総所得金額の40%を上限とする)から2,000円を差し引いた額を、当該年の課税所得から控除することができます。
・住民税…お住まいの都道府県・市区町村が、条例で国立大学法人静岡大学を寄附金税額控除の対象として指定しており、寄附金を支払った年の翌年1月1日にお住まいの場合、寄附の翌年の個人住民税額から控除されます。詳しくはお住まいの都道府県・市区町村にお問い合わせください。

Recommender's comment

山本 裕二
名古屋大学総合保健体育科学センター・教授

日常での何気ないBBQの場で何が起きているのか?楽しくみんなでBBQをやるには?実際のBBQでの行動を観察して、こんな疑問に真面目に答えようとするユニークな研究です。BBQにおける活動を、社会における協調性として解明できれば、さまざまな社会活動において、より円滑な協調行動ができるようになるかもしれません。私自身も楽しみにしていますので、ご協力いただければと思います。

村上 久
京都工芸繊維大学情報工学・人間科学系・助教

カラダを使った具体的な運動から生じる集団性(例えば渋谷交差点の整然とした人の流れ)と、アタマを使った抽象的な思考の産物としての社会性(三人寄れば文殊の知恵)。感覚運動のレベルと、より高次の認知や心理のレベルで別々に研究されがちなこの二つの領域を、市川さんは本研究で接続しようとしています。それは我々の社会性の起源に迫る可能性さえ秘めたものです。本研究の実現を楽しみにしています。

Project timeline

Date Plans
~2023年1月 準備
2023年3月~ 本格的なフィールド計測・データ分析
2023年8月~ 国内学会や国際会議での発表(予定)
2024年1月~ 学術雑誌への投稿(予定)

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ご支援いただいた方のみ限定で、研究報告と質疑応答を行うオンラインサイエンスカフェにご招待します。
オンラインサイエンスカフェは Zoom で開催する予定です。Zoom の参加登録は、申し込み時の氏名(愛称・イニシャル可)に設定していただきます。※氏名の留意点は謝辞の掲載と同じです。

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研究活動を発信するHPにて、お名前を掲載したうえで謝辞をお伝えします。

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フィールド計測を実験者の解説を聞きながら、一緒に参加します。
実施日程は個別にご連絡しますが、雨天時は中止で延期となります。その場合は、2日前までにご連絡します。現地(静岡大学浜松キャンパス)までの交通費や宿泊費はご負担ください。※参加者としてBBQの食事はできません。計測に伴う留意事項の説明書をご確認いただき、内容遵守として署名をいただきます。実施への参加が難しい場合は撮影した動画1組分を限定公開します。動画を視聴する場合も、関連する留意事項の説明書をご確認いただき、内容遵守として署名をいただきます。

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浜松市内限定で出張講演を1回行います。交通費は必要ありません。出張先の要望に合わせて、1時間半程度で本研究の成果や意義などをお話して質疑応答もできる機会を設けます。具体的な日程等は個別にご相談します。
※会場の手配(部屋の確保やプロジェクターの用意)にご協力ください。

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Supporters will be charged the funding amount only if the project reaches the funding goal (JPY 600,000) before 17:00 on March 23, 2023 (JST: GMT+9).
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