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北見薄荷の歴史を語り継ぐ人たちの熱い想いを化学教材に残したい!

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Mitsunori IZUMI
Tokai University、Professor
Pledged: 468,000 JPY
Target Amount: 450,000 JPY
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Profile

Mitsunori IZUMI

専門は化学教育と教育カウンセリング。北海道大学理学部化学科出身。化学の基礎担当教員をしながら心理学を学び、現在は教養心理学も教えています。また学生相談室でカウンセリングも行っています。

研修講師で出向いた北見市でハッカ記念館に立ち寄った際、薄荷から精油を取り、そこからメントール結晶を得るという典型的な化学実験の工程と、屯田兵から始まる貴重な薄荷産業の歴史と出会ってから、これを化学実験の授業に取り込む挑戦を始めました。

社会を捉える目を養うリベラル・アーツ(教養)教育が大学でも重要視されていますが、理系基礎科目に文理融合的な付加価値を付けるために、北見薄荷を題材とした化学実験授業改革をしています。

あなたが研究を通して成し遂げたいことはなんですか?

化学実験を通して、過去の事実だけでなく、そこに様々な人がいて、その人たちの心や気持ちが今もあることを、学生たちに伝えたい。ここにこそリベラル・アーツ教育の本質があると、私は信じています。

北見薄荷には、歴史的側面として、明治時代に入植した屯田兵が持ち込んだ苗から広まり、仲買人に苦しんだ大正時代を経て昭和8年に北見に薄荷工場が建設され、昭和14年に世界シェア70%を記録しました。しかし世界大戦、貿易自由化、合成化学という時代の変遷に対応できず、昭和58年にハッカ工場が閉鎖しています。

また化学的側面として、薄荷農家は収穫した薄荷草から水蒸気蒸留法によって精油を分離します。和薄荷の精油はメントール含量が多く、冷却すると容易に結晶化するので、遠心分離によってメントールを取り出すことができます。

私はこの題材を化学実験に導入し、歴史を振り返りながら実習する授業を完成しました。現在、さらに充実させるべく、資料調査や現地取材を続けています。

北見薄荷の教育素材は、高校の探究活動や生涯学習に大いに役立つ教育コンテンツなので、全国にアピールして様々な教育に役立ててもらいたい。これが、私の最終到達点となります。

どのようなアプローチで実現しようとしていますか?

文・理の2つの視点からアプローチしています。

“理”の観点からは、薄荷に関連する実習テーマを増やし、私が担当する化学実験科目を北見薄荷テーマで統一していきます。現在、メントールによるひんやり感を担うたんぱく質(TRPM8イオンチャネル)の分子構造モデリング実習や英語論文購読などの新規テーマを模索しています。

“文”の観点からは、北見薄荷の過去・現在・未来についての現地取材・調査の結果を基に、多彩な教育コンテンツを増やしていきたいです。一昨年、北見市仁頃町にて、当時の薄荷生産農家が実際に行っていたやり方による薄荷草の蒸留作業を取材し、誰でも楽しめる動画クリップ集として公開しました。

このような文・理両面の教育コンテンツを増やし充実させることで、化学実験の授業履修者はもちろん、世界中の誰もが自由に学べるような充実した学習ウェブサイトが完成するはずです。

今回のプロジェクトで行う研究テーマはなんですか?

私はこれまで取材のために幾度となく北見市を訪問し、ハッカ記念館、ピアソン記念館など北見薄荷を残し伝える役割を担っている方々の大変貴重なお話を伺ってきました。そのたびに私が目にするのは、みなさんが目を輝かせて熱く語る姿でした。その目の輝きの奥から、当時の北見へのノスタルジーや今の北見薄荷に対する思い入れが伝わってきました。これを私は、私の化学教育にさらに取り込みたいのです。

一時代を築いた北見薄荷産業が昭和58年に終焉してから今年で40年。薄荷の歴史の中で生まれ育ち、薄荷終焉を見てきた人たちが今、活き活きと語る中でどんな心の内を伝えてくれるのか。これはただの興味ではなく、後々、学術的に貴重な取材資料となります。

一般の書籍や雑誌では、歴史や施設紹介に紙面の大半が割かれるため、語る人たちの気持ちは多くは伝わらないものです。今回の計画では、薄荷の香りのする北見で育った思い出、薄荷工場閉鎖を見ながら感じたことなどを語ってもらい、そのときの気持ちに焦点を当てて聞き取りを行います。そしてこれまでの取材内容と合わせてブックレットを作製し、化学実験はもちろん、学外の教育活動などにおいて、副読本として活用します。

Why we need your support

ここまでお読みいただき本当にありがとうございます。

北見市端野町にある歴史民俗資料館を訪れたとき、昭和29年に行われた生存屯田兵20名へのインタビュー音声が流れてきて、胸が熱くなりました。国内に存在する様々な歴史遺産は、そこに住む人たちの想いの象徴と言え、気軽に話してくれる中にこそ想いが秘められているのだろうと思い、取材をします。

ご支援いただいた金額は、主に北見出張旅費、聞き取り対象者への謝礼、ブックレット製作、取材機材等の購入に充てます。

本研究は写真と文字を主体としたブックレットの製作とその活用になります。ブックレットは今のところ40ページ程度を考えていますが、私の担当授業のみならず、中学・高等学校の探究授業とのコラボや生涯学習サークルなどで講義や出前講座などの依頼があれば無償で配布して活用したいです。そしてもちろん、この取り組みにご賛同頂ける支援者の皆様にも還元させていただきます。さらに定期的なメールマガジンや動画配信といった、皆様が気軽に楽しめる企画も考えています。

ぜひ、研究を進める私の熱い想いも感じてください。そして一緒に研究を楽みましょう。


***

このプロジェクトは東海大学総合研究機構による「クラウドファンディング型社会発信研究補助計画」としてチャレンジするものです。目標金額に達した場合、目標金額と同額の研究費が同機構から補助されます。

About donation receipt

ご寄附いただいた皆様へ、確定申告により税制上の優遇措置が適用される領収書を東海大学より発行致します。

なお、領収書の日付は、お申込み受付日やカード決済口座からの振替日ではなく、アカデミスト株式会社より東海大学に入金された日付となります。

【法人・団体様からのご寄附】
・全額損金算入が可能です。(法人税法第37条第3項第2号)

【個人様からのご寄附】
・所得税…寄附金額(総所得金額の40%を上限とする)から2,000円を差し引いた額を、当該年の課税所得から控除することができます。
・個人住民税…東海大学を寄付金控除の対象法人として条例で指定している都道府県・市区町村にお住いの方は、個人住民税の控除を受けることができます。

Recommender's comment

蠣崎悌司
北海道教育大学札幌校理数教育専攻理科教育分野・教授

和泉教授は、北海道地区化学教育研究協議会(2017年開催)において「北見薄荷を題材とした化学実験の文理融合的アプローチ」の講演を行っていますが、これは北海道内の化学教育に関心の高い小中高大学の教員を一堂に会する研究会なので、彼の研究を知る人は道内および全国にも多いです。また彼は生涯教育にも関心が高く、放送大学の客員教授として化学実験と心理学を担当していました。応募内容は日本の産業史を伝え残す一助になり、和泉教授はこの研究に適任です。

小川千里
会津大学文化研究センター・上級准教授

和泉光則先生は化学を極められた科学者でありながら、カウンセリング・スキルの研鑽と実践に精力的に従事しておられます。「他者の想いを聞き、こころが動いて行動に移すこと」が本課題の核だと拝読しますが、それは理系科学者にとって容易いことではありません。しかし先生がそれをおできになるのは,講義「心理学」のご担当、学生相談、化学実験のユニークな教材開発だけでなく、先行する科研費課題の遂行といった優れた外部評価を受けておられることからも明らかです。

Project timeline

Date Plans
2023年5~6月 取材計画、聞き取りに関する日程など打合せ
2023年9~10月 聞き取り取材実行、編集開始
2024年2~3月 ブックレット最終確認、印刷依頼
2024年4~7月 授業実践
2024年8月 学会にて研究発表(日本理科教育学会を予定)

Pledge Rewards

You may provide additional support in addition to the amount of your return. No sales tax will be charged on the additional support.
1,000 JPY
Featured : お礼のメッセージ、メルマガ&ビデオマガジンの早期配信

メールでお礼のメッセージをお送りします。
定期的にメールマガジンをお送りし、また一般公開のビデオマガジンを一週間ほど早期に視聴していただきます。

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お礼のメッセージ、メルマガ&ビデオマガジンの早期配信 February, 2024
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5,000 JPY
Featured : ブックレット(デジタル版)の配布

製作したブックレットをデジタル版としてダウンロードしてお読みいただけます。

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ブックレット(デジタル版)の配布 February, 2024
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10,000 JPY
Featured : オンラインサイエンスカフェへの参加

研究期間に数回、札幌市および出張先の北見市からインタラクティブなライブ配信を行います。時間は1時間程度を考えています。

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オンラインサイエンスカフェへの参加 November, 2023
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30,000 JPY
Featured : オンラインの個人レクチャ

本研究について、1時間程度のZoomを用いたオンライン個人レクチャを行います。具体的な内容や日程は個別にご相談いたします。

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オンラインの個人レクチャ January, 2024
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オンラインサイエンスカフェへの参加 November, 2023
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50,000 JPY
Featured : 論文謝辞およびHPにお名前掲載

和泉研究室のHP(izumilab.net)に研究パートナーとしてお名前を掲載し、研究成果をまとめた公開論文(研究報告)に謝辞を掲載します。

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論文謝辞およびHPにお名前掲載 February, 2024
お礼のメッセージ、メルマガ&ビデオマガジンの早期配信 February, 2024
ブックレット(デジタル版)の配布 February, 2024
オンラインサイエンスカフェへの参加 November, 2023
オンラインの個人レクチャ January, 2024
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150,000 JPY
Featured : 出張授業

支援者の所属する学校やグループ、サークルなどを対象に、下の出前講座(対面またはZoomオンライン)をいずれか1回行います。

(1) 薄荷産業の歴史に関する座学講座(2時間程度)
(2) 薄荷草から精油を得る化学実験(実習&解説、半日程度)

※対面の場合、会場(講義室/実験室)の手配をお願いいたします。
 宿泊費・交通費は別途いただきます。

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出張授業 January, 2024
お礼のメッセージ、メルマガ&ビデオマガジンの早期配信 February, 2024
ブックレット(デジタル版)の配布 February, 2024
オンラインサイエンスカフェへの参加 November, 2023
オンラインの個人レクチャ January, 2024
論文謝辞およびHPにお名前掲載 February, 2024
寄付金領収書 May, 2023

1 supporters are supporting with this reward. (No quantity limit)

Supporters will be charged the funding amount only if the project reaches the funding goal (JPY 450,000) before 17:00 on March 30, 2023 (JST: GMT+9).
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